メタモルフォーゼの縁側

百合漫画
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メタモルフォーゼの縁側1巻の表紙

今回は百合未満な雰囲気ではありますが、読み物として物凄く刺さった「メタモルフォーゼの縁側」についてまとめていきます!

 

まず、「メタモルフォーゼ」とはドイツ語で「変化・変身」の意味の言葉です。

 

このお話は久しぶりに入った書店でたまたま手に取ったBL漫画にハマってしまったおばあさんと、好きなものについて共有する事が今までなかった不器用な女子高生がBL漫画を通じてその名の通りメタモルフォーゼ、変化を起こしていく漫画です。

作品情報

作者鶴谷 香央理
出版社KADOKAWA  カドカワデジタルコミックス
発売日2018/5/8~
巻数3巻(2019/11現在)
ジャンル日常、青春

発売形式・試し読み

百合目安

百合度★☆☆見る人によって変わると思います
男性★★☆亡くなった旦那さんとの思い出を思い出したりしています
性描写☆☆☆作中のBL漫画の中で裸が描かれています

 

あらすじ

「メタモルフォーゼの縁側 1巻」より引用

市野井雪(75)は涼みに入った書店で綺麗な表紙の漫画を手に取る。

久々の漫画についついハマり、2巻も購入して読み進めて行くが3巻が見つからず在庫切れで注文することに。

対応したバイトの佐山うららは、おばあさんがBL漫画を買って行ったというインパクトで市野井の事を覚えていた。

同じBL漫画を読んでいた事もあり丁寧に説明すると市野井にお茶に誘われ、一緒に同人誌即売会に行くことになる。

主要人物

市野井雪

75歳
自宅で書道教室の先生をしている

旦那は鬼籍
娘は外国に住んでいる

佐山うらら

高校2年生
本屋でバイトしている
BLが好きだが隠している

見どころ

ほんわかとした日常感が第一に目に止まりますが、ストーリーがいいです。

2巻からじわじわと変化を感じるので、1巻で雰囲気を掴んだら2巻でストーリーをといった感じですね。

感想とまとめ

ここ最近読んだ百合(?)の中でリアルな死生観のある漫画でした。

市野井さんは読んでいるBL漫画の発売が1年半に1冊だと気付き、85で死ぬとしたらあと6冊か…と計算しています。

それを考えた後に

「やっぱり90までがんばります」

「メタモルフォーゼの縁側 1巻 P.73」より引用

と旦那さんの遺影に呟く前向きさがとてもいいんですよ。

前向きさといえば自己紹介をした時に、うららさんは自分の名前が似合わないと思っているようなのですが

「私たち晴れてる人と降ってる人ね」

「メタモルフォーゼの縁側 1巻 P.61」より引用

という一言があります。物凄く暖かくて前向きですね。市野井さんの性格が詰まった一言だと思います。

そして時々ハッとする描写もあります。

 

息切れしながら階段を上っていく背中や、「また今度」があると思っていたと回想するシーンなどなど。

中でもかぼちゃがなかなか切れない時の背中には心を持っていかれました。

このシーンはキャパが振り切れた時の虚無なのかなと思ったのですが、何を考えていたのかを市野井さんの半分も生きていない小娘が適当に想像していいのか、敬意をもってして考えたくないという結論にたどり着きました。

ここは考えるよりも感じた方がいいシーンかもしれません。きっとこの感覚がわかる時がいつか訪れるのでしょうね。

 

そしてその後うららさんにメールします。

うららさんは頭でいろいろと考えすぎるところがあるのか、返信が一言だけなのですがそれだけで笑顔になる市野井さんがまた可愛らしいんですよ。

 

それから、うららさんのリアル感もたまらないです。

学校では上手くコミュニケーションを取れていないようですがバイト先の本屋では普通だと言われていたり、好きな漫画の話をしたかったはずなのにいざその場となると恥ずかしくなってしまったり。

うん、わかる。

 

学生の時から百合が好きだった方は共感できるのではないでしょうか?

周りにBL好きな子は多かったけど…というネタは百合好きのあるあるだと思ってます。

 

そんなうららさんが初めて共有することが出来たのが75歳の市野井さんだったわけですが、市野井さんだからこそというのは1巻でも見ることが出来ます。

うららさんはBLというものは隠すべきものだという意識があるのでしょうね。普段は本棚の奥の方にダンボールに入れて隠しています。

なので、市野井さんにオススメを貸す時に

「もし嫌だったら読むのやめてくださいね…」

「メタモルフォーゼの縁側 1巻 P.93」より引用

と伝えています。即売会に誘った時も似たようなことを言っていますが市野井さんのあっけらかんとしたリアクションと

「うららさんに誘ってもらって…絶対に行こうと思っているの。とってもうれしいのよ」

「メタモルフォーゼの縁側 1巻 P.125」より引用

と伝えられる素直さがうららさんの心を開いていっているのだと思います。

 

そして、2巻ではいよいよ同人即売会のシーンでトラブルがあったり、

うららさんが幼馴染の彼女にいわれた言葉の意味が分からない事に悩んだりとしますが、

人生の経験者の何気ない一言に背中を押されたりしていきます。

メタモルフォーゼの縁側2巻の表紙

 

3巻では生き甲斐って大事だなと思わせるようなシーンや、

市野井さんの体を労わるあまりに少し疎遠になってしまったり、

うららさんが市野井さんの死を実感したり、

それでも新しい挑戦を始めたりしますよ。

メタモルフォーゼの縁側3巻の表紙

 

 

さて、個人的には今年一番刺さった漫画です。

2019年のNo.1と言い切っちゃいますよ。もう11月ですし。

 

百合なの?と聞かれたらきっと百合未満の何かです。

日常を過ごしていく中で旦那さんのことを思い出すシーンも多くあるのでイチャラブ百合は期待しない方がよいかと思われます。まぁ私は美味しくいただきましたけどね。

しかし旦那さんとの思い出も相まって物凄く切なく、そして暖かく刺さってくる漫画です。

前述した通り、ここ最近読んだ漫画の中ではリアルな死を連想させる漫画なんですよ。

死にゆくけれどやりたいことをやっていくおばあさんと、これからを生きていく為にやりたいことをやり始める女子高生。というような相反する2人が一緒に楽しく過ごしていく感じですね。

生死の圧がスゴくてスゴくいいんです。

 

なんだかラストを想像して今から泣けてきました。半年おきに単行本化されているようなので私もまだまだ死ねません。

百合としては人によりますが、とってもオススメな漫画です!

 

 

こんな人にオススメ

  • 斬新な面白い話が読みたい
  • 前向きなおばあちゃんが好き
  • イチャラブだけが百合じゃない
  • 返事や返信に考え込んでしまう体質に共感できる
  • 優しい絵柄が好き

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